【イベント開催レポート】20年後の地域とどう向き合うか ‐ 協力隊経験が活きる地域内外のつながり創出|JICA BLUE CARAVAN @AICHI

2026.09.14お知らせ レポート

2026年2月13日(金)、愛知県名古屋市の「ステーションAi 3階ラウンジ」にて「JICA BLUE CARAVAN @AICHI」が開催されました。今回はトークセッションに加え、参加者巻き込み型のラウンドテーブル(グループディスカッション)を実施。地域課題解決のために何ができるのかを共に考える、熱気あふれる「共創の時間」となりました。当日は学生から社会人まで、23名(申込28名)の多様な参加者が一堂に会しました。

本記事では、当日の様子をお届けします。


第一部:オープニング

イベントの冒頭には、独立行政法人国際協力機構(JICA)中部センター所長の上町透所長氏、同じく機構企業連携課の髙井枝里子氏、そして会場となったステーションAiの唐木遥香氏が登壇しました。それぞれの立場から、地域発のイノベーションや国際協力経験がもたらす社会還元の可能性について触れられ、これからの地域づくりへの期待が膨らむ開会となりました。


第一部:トークセッション「20年後の地域とどう向き合うか ‐ 協力隊経験が活きる地域内外のつながり創出」

登壇者:浅野拳士氏(株式会社マキノハラボ 代表)/ 田中勲氏(NPO法人G-net 理事)/ 近藤咲氏(NPO法人幸縁)
「20年後の地域とどう向き合うか」をテーマに、3名のJICA海外協力隊経験者(以下、OV)が登壇しました。

(左から浅野氏、田中氏、近藤氏)

セッションでは、JICA海外協力隊としていわゆる“よそ者”の立場から地域課題に向き合った経験が、帰国後の地域内外における「つながり創出」にどう活かされているかについて、登壇者3名それぞれのエピソードとともに語られました。さらに、地域内でのつながりを生み出すための具体的なアプローチや、人と人をつなぐことで地域がどのように変革していくのかなど、それぞれの実践に基づいた多角的な視点から活発な議論が展開されました。

■各登壇者からのエピソードと現在の取り組み

株式会社マキノハラボ 代表 浅野拳士氏

東アフリカのルワンダに派遣されていた浅野氏は、言葉も生活環境も異なる中で、現地の人々に助けられながら時間を共にし、同じ目線で信頼関係を築いた経験を語りました。帰国後は、静岡県牧之原市で廃校となった小学校を利活用した施設を運営。地域住民向けの教室や年間4万人が利用する宿泊事業を展開するほか、外国にルーツを持つ子どもたちへの公立学校入学前の日本語・マナー教育、お茶農家へのスマート農業導入支援など、多面的なアプローチで地域内外の人々を繋ぐハブとしての役割を果たしています。

NPO法人G-net 理事 / 株式会社人と土 代表 田中勲氏

南米ボリビアに派遣されていた田中氏は、現地の同僚と正論でぶつかっていた時期を経て、サッカーを一緒に楽しむなど仲良くなることで仕事が円滑に進むようになったエピソードを紹介。相手の視点に立つ「対話」の重要性を学んだと振り返りました。現在は、若者が地域や中小企業へ自然な流れで集まる「人材還流の生態系づくり」を目指し活動。若者への機会提供にとどまらず、受け入れ先となる地域企業をより魅力的にするための支援や、大手企業の人材を地域に繋ぐ取り組みを通じて、持続可能な地域産業の基盤づくりに取り組んでいます。

NPO法人幸縁 代表 近藤咲氏

中米グアテマラに派遣されていた近藤氏は、現地での生活を通じて自身の価値観が当たり前ではないことに気づき、他者との違いを受け入れる大切さを学んだと語りました。帰国後、現地で出会った少女とオンラインで交流を続けたことが自身の人生を豊かにしてくれたという原体験から、グアテマラの子どもたちと日本の里親をオンラインで繋ぐ、顔の見える奨学金事業を立ち上げました。さらに、日本のボランティアによる英語教育支援が、結果的にグアテマラと日本の同世代の子どもたちによるグローバルな交流へと発展するなど、国境を越えた温かいつながりを生み出しています。


第二部:ラウンドテーブル

第一部の熱気そのままに、会場は「ラウンドテーブル」へと移行しました。ここでは3つの問いが設けられ、参加者は3つのグループに分かれて登壇者と共にディスカッションを行いました。

【テーマ1】浅野氏:「今後の日本に求められる多文化共生とは?」

【テーマ2】田中氏:「地域での人材還流が生まれるためには?」

【テーマ3】近藤氏:「20年後、社会のために行動しようとする人材が生まれる教育とは?」

各グループでは、自己紹介から始まり、具体的な事例を用いたグループワーク、そして全体発表へと進行。登壇者と参加者が垣根を越えて一体となり、地域の未来や課題に真摯に向き合う時間となりました。


第三部:ネットワーキング・交流会

第二部のラウンドテーブルを通じて参加者同士の距離が縮まり、交流会が始まると同時に会場のあちこちで活発な対話が繰り広げられました。終了時間の間際まで、参加者同士や登壇者との名刺交換、熱心な情報交換が続き、新たなつながりが紡がれる場となりました。


イベントを終えて

参加者一人ひとりが、異なるバックグラウンドを持つ人々との出会いや対話を通じて、自身の関わる地域や社会でどのような「つながり」を生み出せるのか、明日からのアクションのヒントを得る貴重な機会となりました。

開催後のアンケートでは、以下のような参加者からの前向きな声が寄せられました。

  • 「3名のJICA海外協力隊経験者の具体的な活動を知る貴重な機会になった。ラウンドテーブルでは、より多くの参加者と深い交流ができて刺激を受けた」
  • 「普段の生活では出会えないような、多様な経歴の人とお話しすることができ、世界が広がった」

OVでの経験がどのように地域に還元され、未来の社会を形作っていくのか。その可能性を参加者全員で共有できた充実の1日となりました。

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