【イベント開催レポート】協力隊経験がひらく、キャリアと社会への新しい挑戦|JICA BLUE CARAVAN @HYOGO
2026.09.14|お知らせ レポート

2026年3月3日、兵庫県神戸市の「ANCHOR KOBE」にて「JICA BLUE CARAVAN @HYOGO」が開催されました。JICA海外協力隊の募集時期に合わせ、JICA海外協力隊経験者(以下、OV)のキャリアへの活かし方や、帰国後の起業の可能性をテーマにしたトークセッションと、ブース型交流会の2部構成で実施。当日は学生から社会人、起業家まで36名の多様な参加者が一堂に会しました。
本記事では、熱気に包まれた当日の様子をお届けします。
第一部:オープニング
イベントの冒頭では、JICA青年海外協力隊事務局の礒貝白日と、神戸市 経済観光局 新産業創造課 イノベーション専門官の内藤千愛氏がオープニングに登壇しました。
礒貝からは、JICA海外協力隊が60周年を迎え累計5万8000人が派遣された実績と、途上国の現場経験を社会課題解決や起業へと後押しする「JICA BLUE」プロジェクトの伴走支援等の取り組みが語られました。続いて内藤氏からは、神戸市が2016年から取り組むスタートアップ支援や、社会課題解決プログラム、さらにアフリカビジネスコンテストの開催など、神戸市ならではの構想が紹介され、JICAと地域行政が連携する本イベントの意義が示されました。OVが持つ独自の視点や行動力が、地域のイノベーションとも深く交差し得ることを予感させる、期待感に満ちた開会となりました。

第一部:トークセッション「協力隊経験とキャリア、そして社会へ」
登壇者:棚原彩 氏(pa-moja 代表)/半井真明 氏(合同会社CHEZA 共同代表)
トークセッションでは、2名のOVが「なぜJICA海外協力隊に飛び込んだのか」「帰国後、どのように社会課題と向き合ってきたか」について、それぞれの言葉で語りました。
大学卒業後にタンザニアへ派遣された棚原氏は、「何もないからこそがむしゃらに頑張れた」と当時を振り返り、現地の人の『今を楽しむ』姿に触れたことで人生の自由度が広がり、起業への失敗のハードルが下がったという力強いエピソードを語りました。一方、都市計画コンサルタントとしてのキャリアを経てザンビアへ派遣された半井氏は、「途上国のリアルな課題を肌感覚で知ることで、説得力のある提案ができるようになった」と語り、インフラ整備だけでなく「教育」というアプローチからビジネスを通じた課題解決を目指す現在の事業へと繋がっている経緯を語りました。
JICA海外協力隊経験を経て起業の道へ進んだ両名のストーリーには、「JICA海外協力隊でなければ出会えなかった地域課題がある」「現地で肌で感じたリアルが、今の事業の原点になっている」という共通点があります。その一方で、それぞれの事業展開におけるアプローチの違いや、独自のキャリア観も浮かび上がる、示唆に富んだセッションとなりました。


質疑応答では、JICA海外協力隊への応募を検討している学生から「自分の経験に自信が持てず、志望動機をうまく書けない」という率直な悩みが寄せられました。これに対し登壇者は、自身の応募当時のエピソードを交えながら、それぞれの視点で丁寧にアドバイスを送りました。また、現地での「大きなしくじり」を問う質問に対しては、会場の笑いを誘いつつも、失敗と真摯に向き合ってきた経緯を本音で語りました。登壇者と参加者の心理的距離が縮まり、会場の温度が一気に上がる瞬間となりました。

第二部:MEET UP ブース型交流会
第一部の熱気そのままに、会場は「MEET UP ブース型交流会」へと移行しました。交流会開始前にブース出展者がショートピッチを行い、簡単に事業や取り組みを参加者にアピールしました。その後、OVや関連事業者による個性豊かな10ブースが並び、参加者が自由に足を運んで対話できる形式で実施されました。

各ブースでは、名刺交換だけでなく、プロダクトの紹介やその背景にある起業家たちの熱い想いが語られました。会場の随所で会話が弾み、互いの関心事や課題意識が重なり合う、有機的なつながりが生まれていました。
【出展ブース一覧(順不同)】

「男性更年期ロス」への取り組み(株式会社メイルメノポーズ 渡部氏)

アフリカ布を使った知育ゲーム(特定非営利活動法人Chitenducation 中北氏)

竹製品による環境問題へのアプローチ(たけっぷ 大山氏)

コーヒーを通じた生産地と消費地のつながり(テイケイコーヒー 太田氏)

世界67か国の教育機関をつなぐ国際交流を学校向けに展開(株式会社With The World 五十嵐氏)

南インドの縫製工場と連携したOEM事業(miri 芝田氏)

アフリカ生まれのスパイスを調合したクラフトコーラ(株式会社Bona様)
それぞれの想いと行動力が凝縮されたブースが立ち並ぶ中、JICA関西センターおよびJICA BLUEのブース、そして神戸市のブースにも多くの参加者が来訪。JICA海外協力隊への応募相談や、地域連携に関する活発な情報交換が行われました。


イベントを終えて
今回のイベントは、学生から社会人、起業家まで多様なバックグラウンドを持つ人々が交わる場となりました。第一部のトークセッションで語られた「現地でのリアルな課題感が事業の原点になる」という起業家たちの生の言葉は、参加者の心に深く刺さった様子でした。また、第二部の交流会では、出展者と参加者の間に自然な対話が生まれ、次のアクションにつながる関係性が各所で構築されていました。
参加者からは、以下のような前向きな声が多数寄せられました。
- 「こんなに多様な活動をしている人がいると知らなかった」
- 「自分も社会のために何かやってみたい、という気持ちが湧いてきた」
- 「悩んでいたが、JICA海外協力隊への応募の背中を押された」
本イベントを通じて、多くの参加者が「協力隊経験がキャリアや社会への扉を開く可能性」をリアルに実感する機会となったようです。