描いたプランを、世に出す。JICA BLUE Academy 修了生向けフォローアッププログラムが始動しました

2026.09.08|イベント レポート

JICA海外協力隊起業支援プロジェクト (BLUE) は、2026年8月8日(土)、新たなプログラム「JICA BLUE Product Launch / Product Development プログラム」を開講しました。対象は、これまでに社会起業家育成伴走プログラム (JICA BLUE Academy)(旧・起業伴走プログラム)を修了した1期生から3期生の皆さんです。

そして8月8日(土)、JICA竹橋オフィスにて、参加者が一堂に会するKICK OFFを開催しました。

本記事では、なぜこのプログラムを立ち上げたのか、そして3ヶ月の挑戦がどのように幕を開けたのかをお伝えします。

なぜ、このプログラムを始めたのか

JICA BLUE Academyでは、3ヶ月をかけて社会課題の本質に切り込み、その解決に挑むビジネスプランを完成させます。これまで1期生から3期生まで68名がプログラムに参加しました。

すでに事業をスタートさせた方、事業プランをさらに磨き上げている方、試行錯誤を重ねながら事業の方向転換に経験した方など、プログラムを経て、それぞれの現在地で修了生たちが挑戦を続けています。

ビジネスプランが社会に届き、広がっていくまでには、大きく4つのステップがあります。

①ビジネスプランニング

事業アイデアを磨き上げ、実現可能なビジネスプランへと落とし込む段階

②PoC(概念実証)

プランやアイデアを実際に試し、その有効性やニーズを検証する段階

③サービスローンチ

商品やサービスを正式にリリースし、社会へ届ける段階

④PMF・事業拡大

商品・サービスが市場に受け入れられる状態(PMF)を実現し、事業モデルを最適化しながら成長を加速させる段階

これまでJICA BLUE Academyが主に支援してきたのは、①の「ビジネスプランニング」のステップです。

これまでに68名の参加者がこのステップに挑戦し、それぞれの事業を次のステージへ進めています。

だからこそ今、必要なのは構想したプランを実際の事業として社会に実装し、継続的な成長へとつなげていくためのステップです。

「掲げた想いと作りあげたプランを社会実装し、さらなる成長・拡大につなげる」ことを目的として、本プログラムでは②から④までのフェーズに伴走し、参加者一人ひとりの挑戦を後押しします。

本プログラムは、事業フェーズに応じた2つの支援の柱で構成されています。

Product Launch / プラン完成からサービスローンチへ

ビジネスコンセプトを再度ブラッシュアップし、クラウドファンディングの活用、PoC(概念実証)、プロトタイプ開発の支援を通じて、3ヶ月で商品・サービスのローンチ、またはプロトタイプの公開を目指します。

Product Development / 事業スタートからPMF・拡大へ

すでに商品・サービスをリリースしている方を対象に、事業仮説の検証を進めながら、コアターゲットや販売チャネル、マーケティング手法を明確化します。経営視点での数値管理と改善サイクルの実践を通じて、事業の「勝ち筋」を見出し、成長につなげていきます。

なお、この2つのコースの参加者は1つのプログラムの仲間として、ともに学び、ともに挑戦します。講義や成果発表の機会は全員共通としながら、個別伴走や壁打ちの内容を、それぞれの事業フェーズに応じて最適化することで、一人ひとりの成長を支援します。

プログラム概要

期間:2026年8月8日(土)〜11月1日(日)/約3ヶ月・全13週

形式:オンライン中心(対面3回:KICKOFF・中間発表会・最終発表会)

対象:JICA BLUE Academy 1〜3期修了生

参加者:10名(選抜制)

エントリーと個別面接を経て、10名の修了生が本プログラムへの参加を決めました。

事業フェーズも、挑む社会課題も、JICA海外協力隊として活動していた国もさまざま。それぞれ異なる現在地に立ちながら、同じ3ヶ月間の挑戦をスタートしました。

8月2日:オリエンテーション

プログラムの入り口となったのは、オンラインで実施したオリエンテーションです。法人登記や資金調達の概論に触れながら、3ヶ月をどう走り切るのかを全員で共有しました。

8月8日:KICK OFF

8月8日(土)、JICA竹橋オフィスにてKICK OFFを開催しました。海外から1名はオンラインでの参加となり、対面とオンラインをつないだハイブリッド形式での開催です。

オンライン中心で進むプログラムだからこそ、最初に顔を合わせる時間を大切にしています。

画面越しではなく、同じ空間でこれからの3ヶ月をともに走る仲間と向き合う時間。その場には緊張感よりも「ここから始まる」という期待と熱気が満ちていました。

起業家講座

KICK OFFのなかでは、これからまさに起業家・経営者として事業をスタートする修了生に向けて、起業家講座を開催しました。

登壇講師は、JICA BLUE Academy メンターでもある テラオホールディングス株式会社 代表取締役の寺尾 忍氏。

寺尾 氏に、これまでの歩みや経営・資金調達のリアル、これから事業を作り上げていく上での進め方・心構えについてお話しいただきました。

事業構想シート&PoC開発計画シートの作成ワークショップ

続いては、実際に自分の事業に落とし込む時間。

一つ目は「事業構想シート」を作成したうえで「インパクト連鎖マップ」を制作しました。

いわゆるロジックモデル・セオリーオブチェンジ(ToC)とも呼ばれる社会的なインパクトの流れを自身の事業でどのように体現するかを、事業活動から、アウトプット、アウトカム、そして社会的インパクトまでを一本の線で結び直すシートです。「この事業は誰の何を、どのように変えるのか」「どのように社会的インパクトを生み出すのか」を改めて言語化し、事業の存在意義を見つめなおしました。

二つ目はPoC開発計画シート。

JICA BLUE Academyで様々な方と一緒に練り上げたビジネスプラン・アイデアをどのように概念実証していくのか(誰と・いつ・どのように検証していくのか)、この3ヶ月のプログラムでの計画を可視化しました。

想いを社会的インパクトの連鎖として描き直し、翌週から実際に動いていく計画に落とし込む。この日の手触りが、これからの3ヶ月の土台になります。

3ヶ月後のゴールとコミットメントの共有

ワークショップの最後には、参加者一人ひとりが、PoC開発計画シートを元に3ヶ月後、どこまでたどり着きたいのか、ピッチ形式で言葉にしました。

プロトタイプの開発とサービスローンチ、受注の獲得、事業モデルの再定義など、目指すゴールは一人ひとり異なります。それでも、自分の言葉で仲間たちに宣言することで、それぞれが挑戦への覚悟を固め、互いを鼓舞しあいました。

参加者の気づきと、次の一歩

KICK OFFの締めくくりは、それぞれがネクストアクションをグループチャット(Slack)へ投稿。その日の気づき・学びや、もやもやしたままの感情も含め書き出しあい次のアクションに繋げました。

そこには、たとえばこのような言葉が並びました。

「どうやって三方良し、多方良しにするか」

「いままで仲間になってきましたが、自分が仲間を集められるか」

誰かのチームの一員として力を尽くしてきた人が、今度は自分が旗を立て、人を巻き込む側に回ろうとしている。その揺らぎが、そのまま言葉になっていたり、事業を前に進めるとは、こうした問いを抱えたまま、それでも一歩を踏み出すことなのだと感じています。

また、次週に向けたアクションとしても、

「もっと自分の事業について話せるようになる」

「将来の顧客対象となる法人にアプローチする」

など、明日から動き出せる具体的な行動が記されていました。

これからの3ヶ月

9月27日(日)には中間発表会、そして11月1日(日)には最終発表会を予定しています。最終発表会には、JICA関係者をはじめ企業・自治体関係者の皆さま、応援してくださる皆さまにもご参加いただく予定です。参加者の挑戦を広く発信し、新たな協力者や事業パートナーとの出会いにつなげていきます。

また本プログラムでは、参加者同士はもちろん、JICA BLUE Academy修了生同士が継続的に相談し合えるコミュニティづくりも進めていきます。プログラム修了後も、BLUEコミュニティの一員として、共に学び、共に創る機会を提供していきます。

JICA海外協力隊として活動するのなかで、目を背けることのできない課題に出会った。帰国後も、その光景が消えなかった。だからこそ、その課題を解決するためのビジネスプランを描いた——ここまでが、JICA BLUE Academyの3ヶ月でした。

これからの3ヶ月は、そのプランを世に出す3ヶ月です。

決して平坦な道のりではないはずです。

それでも、活動先で出会った人たちの顔を思い浮かべながら走る10名の隣に、私たちは伴走者として寄り添い続けます。

11月1日の最終発表会で、それぞれがどのような成果と学びを持ち寄るのか。今から大きな期待を寄せています。

JICA海外協力隊での経験を原点に、社会起業への一歩を踏み出した修了生たち。その可能性を、メンター、事務局、そして応援してくださる皆さまとともに広げながら、一人ひとりの挑戦を応援してまいります。

主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)

運営:JICA BLUE 運営事務局(株式会社ボーダレス・ジャパン)

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