地域おこし協力隊インターン体験記:BLUE起業相談を経て見えた新しい道

2024.08.28お知らせ レポート

(西山さんが地域おこし協力隊インターンで訪れていた新潟県南魚沼群湯沢町)

今回は、BLUEの起業相談を経て、新潟県南魚沼群湯沢町へ3週間地域おこし協力隊インターンに行かれたJICA海外協力隊経験者の西山さんの取り組み、挑戦、今後の展望をご紹介します。

(JICA海外協力隊 2018年第1次隊 ケニアで栄養士隊員として活躍する西山さん)

JICA海外協力隊(以下、協力隊)では、2018年第1次隊栄養士隊員としてケニアへ派遣をされていた西山さん。

協力隊派遣前後も栄養士としてお仕事をされていましたが、「もっと面白いキャリアを幅広く考えていきたい」と栄養士としてのキャリアを一区切りすることを決意されました。そのタイミングで、偶然誘われて来場したBLUEの出張スタートアップハブ@福岡イベント。会場での起業相談、その後のきら星株式会社 代表取締役社長 伊藤綾さんとのアドバイザリー面談を経て、新潟県南魚沼群湯沢町へ「地域おこし協力隊インターン」として派遣されることが決まりました。そんな西山さんにインタビューをさせていただきました。

BLUEを知ったきっかけは?

ー当時同じく協力隊としてケニアで活動しており、現在はJICA青年海外協力隊事務局 JICA海外協力隊起業支援プロジェクトBLUEのプロジェクトリードを担当する黒田篤槻さんから「福岡にいるならイベントに来てみないか」と誘われたことがきっかけです。

それまでは、JICAからのメールでBLUEのことは知っていたのですが、自分は「起業」にはあまり関心が強くなかったためチェックしていませんでした。

起業相談時、キャリアや悩み・モヤモヤはどこにありましたか?

ーキャリアを幅広く検討したいと思っていましたが、選択肢がありすぎて絞りきれないことがモヤモヤするポイントでした。

栄養士として働くことが嫌になった訳ではないですが、「もっと面白そうなキャリアがあるなら挑戦してみたい」という想いはある一方で、栄養士としての専門知識をもとに何ができるのか、具体的にアイデアが浮かばず、不安な気持ちが強かったです。

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起業相談の際、西山さんは「幅広く今後のキャリアを考えていく上で、自身で事業を興していくことにも興味があるが、女性のライフステージの変化の中で起業をするイメージが掴みづらいため、出産や子育てをしながら起業をされている人のお話を聞きてみたい」と話して下さいました。アドバイザリーの一人で、子育てをしながら事業をされている伊藤綾さん(きら星株式会社 代表取締役)へお繋ぎし、面談の中で新潟県南魚沼郡湯沢町へ3か月の地域おこし協力隊インターンとして派遣されることになりました。

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インターンをすることになったきっかけと決め手はどこにあったのでしょうか?

ー1つ目は、「伊藤さんにお会いしてみたい!」と思ったことです。

2つ目は、考えているだけではなく実際に行ってみたいなと思っている時に、伊藤さんが「来てみる?」と快く声をかけてくださったからです。ちょうど自分や家族にとってもタイミングが良く身動きがとりやすい時期だったのと、もともとピンと来たらすぐに動くタイプなので「行ってみよう!」と即決しました。

(湯沢町で地域おこし協力隊インターンをする西山さん)

実際に、湯沢町での地域おこし協力隊インターンではどんな活動をされていたのでしょうか?

ー午前中は、湯沢町役場の子育て支援課で未就学児童の直接支援や役場業務の補助をして、午後はNPO法人cocoiroのこどもたちを対象とした放課後デイサービスにて発達障害を持つ子ども達に「1日運営費500円で作れるおやつ作り」を行い、子ども達と一緒に食への興味関心を深める活動をしていました。また地域内にある2箇所のこども食堂での運営補助も行っていました。

他には、(伊藤さんが経営する)きら星の施設内で空きスペースとなっていたキッチンの認知度アップのための試みの一環として弁当屋の手伝いやメニューの考案なども一緒にさせていただきました。

今回の地域おこし協力隊インターンの経験から、今後のキャリア選択へ活かせそうな気付きや発見はありましたか?

ーまずは、3週間地域の様々な人に会う中で、皆さんが伊藤さんのことをお話されていたことに驚きました。起業を決意されてからの約10年間の伊藤さんの軌跡、また起業家としてではなく一人の女性として、悩みながらも周りの人たちを巻き込んで歩んでこられた実際のお話を聞けたことで、「起業」という言葉が以前よりも近いものになったと感じています。

伊藤さん以外にも、様々な場所で母として働き方や生き方を模索されている他の方々のお話を聞けたことで、今まで自分のいたコミュニティでは知り得なかった働き方、キャリアの実現の仕方などを知ることができたことはとても貴重でした。

その中で、次に自分が取り組みたいと思えるテーマに出会えました。

当初、この地域おこし協力隊インターンをする目的は「食」と「こども」をテーマに、「こども食堂の活動を実際にしてみること」と「食を活かした居場所づくり」でした。実際に活動をしていく中で、こども食堂さんは既に素晴らしい取り組みをされているので、湯沢町で私が関わらせていただいたこども食堂では既に素晴らしい取り組みをされているので、既存の取り組みが今後も継続していってほしいと願うと同時に、私は私らしく「食」を通して町や地域おこし、社会が元気になっていくことに取り組んでいきたいと思いました。

取り組んでいきたいテーマが見つかったとのことですが、今後のキャリアや活動について、現時点ではどのようにお考えですか?

ー湯沢町であれば、きら星の空きキッチンを活用した、地域の高齢者の見守りサービスも兼ねた配食サービスや長期休暇期間中の学童保育のこどもたちを対象にした昼食の配食サービス、またコワーキングスペース利用者向けの弁当販売ができると面白そうだなと考えています。ただ湯沢町でも湯沢町以外でも、マーケティングが不足している状況でも、今まだまだやれることはあると考えていて、現在は配食サービス、飲食事業、家事代行サービスなどの勉強をしながら、「地域の課題はどこも近しいところがある」という伊藤さんの言葉もヒントに次の活動について考えています。

地域おこし協力隊インターンの経験をきっかけに自身の「食」の経験や知識を活かして社会をより元気にしていくことに取り組んでいく、栄養士とは違う在り方のヒントを見つけることができました。

取り組んでいきたいと思えるテーマに出会うきっかけを下さった黒田さんや、伊藤さんに感謝しています!

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最初は「起業は自分には遠い」と感じていた西山さんでしたが、地域おこし協力隊インターンの活動の中で様々な年代の人々と触れ合いながら、自分らしさを活かした活動に参画し、今後の活動のヒントを見つけることができました。

ふと誘われた福岡イベントをきっかけに、新たな一歩を踏み出した西山さんの今後の益々のご活躍、応援しております!

西山さんのように「最初は起業をするつもりはなかった」「色んな方法を模索していく中で手段として起業に至った」と話す起業家は多くいます。皆さんの「自分らしく地域、社会、世界に対してできることをしていきたい」という想いが、起業という道を後押ししています。

BLUEでは、これからも挑戦する人の背中をそっと押すことができる取り組みを重ねて参ります。

今後ともよろしくお願いします。

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